2021.05.30 02:01計画的偶発性理論キャリア理論に計画的偶発性理論というのがあります。これは1999年にスタンフォード大学から提唱されたキャリア理論です。成功したキャリアを持つビジネスパーソンの8割が本人の予期しない偶発的な出来事がきっかけだったという調査をもとに、偶発性を呼び込んだり、起こった場合にしっかり捉えようという理論です。サイエンスでいわれるセレンディピティとも通じるところがあります(ペニシリンの発見など)。従来のセンスで研究を管理すると、期待される成果を明確化しこれを実現化するというパターンを最適化しようとしてしまいます。VUCAの世界において、その中から創造性のある成果は生まれません。そこで、「犬も歩けば棒にあたる」的な予期せぬ成果をしっかりつかむ術が重要になります。ただ闇...
2021.05.25 04:12デザイン思考とアート思考これまで左脳的な考え方、論理的判断一辺倒であったビジネスの世界に、デザイン思考が定着してきました。医療の世界では、医療現場や患者さんの詳細な観察からイノベーションを生み出すデザイン思考(スタンフォード大学のバイオデザイン)が有名です。医療従事者や患者さん本人も気付かないニーズを観察するのがここのポイントです。VUCAの時代では更に一歩進んで、アート思考で自由に発想を飛ばすことの有用性も認知されてきています。企画者自らの心の中を表出するので、技術的な高さに加え、知性や感性の豊かさがエッジになる世界観です。
2021.05.23 14:11ギグワークデジタルインフラの構築進展に伴い、リモート性や裁量性に特徴のある新しいカテゴリの働き方であるギグワークが登場した。プロフェッショナル&パラレルキャリアなどポジティブな面と同時に、セイフティネットの整備という課題も抱えている。人生100年時代の働き方として、ギグワークはメジャーな働き方となるだろう。その一つが副業的な位置付けだ。副業として、様々な実践的な学びを重ねながら、次へのステップアップを狙う。
2021.05.20 14:36ギブ&ギブこれまでの資本主義市場では、いわゆる米国経済を中心にした弱肉強食の市場、テイク・テイク・テイクな時代であった。ところが、技術的にも文化的にも成熟度が進んだ世の中ではギブ&ギブの世界が出現するのではないと考えている。この世界では、自分の得意なことや技術を惜しみなく見返りを期待することなく周りの人々に分け与えるのである。
2021.05.20 14:25学際領域SAT研究所の専門は、医学、薬学、農学など生物系学問であり、この領域で日々最新の研究活動を行っている。視野を広げて、学際領域、すなわち異なる分野の専門家と協同して取り組むことは、普段と違った見方や異なるツールを使って攻めることができ、とても幅が広がる活動である。そんなところも期待して、例えば社会心理学や量子コンピューティングの専門家など普段なかなかお付き合いの少ない方々とヘルスケアの諸課題についてディスカションを始めている。敷居は高いが、彼らの専門領域の学会にもお邪魔をして、ヘルスケアにおける社会課題を一緒に考えてみようと思う。
2021.05.17 01:25聴く力、引き出す力最近メンタリングを制度として、導入する企業が増えているようです。直属の上司ではなく、いわゆる斜め上あるいは横、このポジションのメンターと呼ばれる相談役がなんでも話をとにかく聴いてくれます。数あるキャリア育成方法のひとつですが、指示や命令ではなく、対話が基本になっています。メンティ本人の気づきやメンターの助言を引き出すために、相談役メンターの聴く力がまずは基本になります。とにかくメンティがリラックスし、自分の気持ちや想いに向き合い、周りに気を使うことなく自分の考えを話せる環境醸成が大切です。こうして自分の気持ちに向き合うことにより、自らが気づき、自律的そして自発的に成長していきます。
2021.05.07 07:43老いなき世界人類は、老いない身体を手に入れると言うシンクレア博士(Harvard大老化生物学研究センター長)の著書が米国でベストセラーになっています。老いなき世界では、多くの人がその経験値を生かして、職業人としての自分を大切にすると考えられています。また、病気で死なない世の中では、技術的なことの他に、生き方そして死に方に関する社会的、倫理的な対応や、制度設計・制度改革も必要になってきます。
2021.05.05 05:10ストリート・メディカルストリート:街から発生したダンスや音楽にストリート・ダンスやストリート・ミュージックがあるように、ストリート・メディカルという言葉が提唱されています(「治療では遅すぎる」武部先生・著)。病院で行われる患者さんの治療だけを対象にする従来からある医療ではなく、病気になる前:未病の状態から患者さんを捉える、患者さんのみならず周りの家族や友人も視野に入れる、診察室の治療だけでなく、普段の暮らしから病気を予防するなど、医療の捉え方が格段に広く、そして実践的になっています。ベースになる学問も、医学、薬学、生物学といった学問の他、人文学、心理学、そしてデザイン学や文学など広範に及びます。SAT研究所では、ヘルスケアに社会心理学的な切り口を設けるところから、ストリート...